☆今回のくりぼっちは編集の意向により趣向を変えてお送ります。

くりぼっちの育児日誌

ある日、2歳になったばかりの息子の口唇に直径2センチくらいの潰瘍が出来ていた(多分遊んでいて自分で噛んだのだろう)。

 普段通りに朝食を済ませて食器を洗っていたら、急に足元でぎゃんぎゃんと泣き出したので見ると、いつの間にか冷蔵庫からミニトマトを取り出して丸 かじりし、潰瘍にトマトの汁がしみたようだった。床も服もトマトの汁だらけ、自分の手は食器洗いの最中で泡だらけという悲惨な状況を何とか片付けた後、朝 食はいつも通り食べたし、トマトがしみてもすぐ泣き止んだので放っておいても治るだろうと思いそのまま保育園に連れて行ったところ、昼頃担任の先生から電 話が来た。

「お昼ごはんの味噌汁がしみて泣いちゃったんです。今日お母さんが仕事お休みなら一度病院で診てもらった方が良いかと思ってお電話しました」

 まさか味噌汁で泣くとは思わなかったので苦笑しつつ息子を勤務先の歯科医院に連れて行った。

 初めての歯科医院で泣くこともなく口唇にレーザーを当てること3日。みるみる潰瘍が小さくなるのを見て保育園の先生が思わず「レーザーってすごいんですね!」と驚いていた。子供の新陳代謝の早さは本当にうらやましい限りである。

 3日目には1人でユニットに寝転がりニヤニヤしながらおとなしくレーザーを当てられていた。おそらく彼は褒められると頑張れるタイプなのだろう。 先生方に「すごいね!」「頑張れるね!」などと言われて得意げになっているのがひしひしと伝わってきた。3回に及ぶレーザー処置で彼の潰瘍は瞬く間に完治 し、2歳児の歯科医院デビューは事無きを得た。

 余談だが、歯科医院を忘れた頃にフッ素塗布をしに連れて行ったところ、意外にも覚えていたらしく1人でユニットに寝転がりおとなしくブラッシングとフッ素塗布をされていた。彼が言うにはまた行きたいらしい。

 そんな彼にある日出かけるとしたら【動物園で象を見る】か【水族館でペンギンを見る】か【歯医者さんへ行く】かと尋ねたところ、迷わず「はいしゃん、いく」と答えたあたり大物である。果たしていつまで【歯医者=楽しいところ】と思っていられるのやら…

 ちなみに、次号またこのような話を書くかは皆さんの反響しだい。