くりぼっちの育児日誌 vol.2
昨年、友人とその子供(息子と同い年。当時2歳)と潮まつりに行った時のこと。互いに【くじ引きは一回だけ】と約束していざ祭り会場へ。
くじ引きやわたあめなど、見るもの見るもの目を輝かせて『あれ欲しい!これ欲しい!』と興奮する子らと会場をめぐり、最終的に一つだけくじ引きを し、ヨーヨー釣りをして、わたあめの袋を持って某機関車のお面を頭につけた姿は誰が見ても完全にお祭りを楽しんでいる姿だった。(ちなみにヨーヨーは数分 後に地面に落としてあっけなく割れた)
途中、友人がきゅうりの一本漬けを買ってきて子供に与えていた。
ちょこんと椅子に座って少しずつ食べる様子に、やはり女の子は口が小さいからお上品に食べているのかと最初は見ていたが、よく見ると何やら顔を傾 けて奥歯のあたりで少しずつかじり取って食べている。はて、2歳児にはきゅうりが太かったかと思って見ているとお相伴に与った息子は大口を開けて丸かじり をし、美味しいと言いながらバリボリと音を立ててあっという間に食べてしまった。
息子の歯と口が大きいせいもあるかもしれないが、友人の子供はすでに若干の開口気味だった。そのために前歯で物が噛み切れていなかったのだ。どうやらなかなか指しゃぶりがやめられないらしい。
話は変わるが、昨今歯科の世界でここ数年注目を浴びているのは小児の【口腔機能不全症】や高齢者の【口腔機能低下症・オーラルフレイル】ではなかろうか。
先 日講習会に参加した折にも近年は子供がむし歯にならないようにとフッ素塗布や仕上げ磨きなどに力を入れる母親が増えている一方、お口ポカンを始めとする口 腔機能の発達が弱い子供が増えているようである。一生懸命自宅で虫歯予防に取り組んだ結果、歯科医院に行く機会が減り、早い段階で見つけられれば回避でき たかもしれない口腔機能不全や悪習癖を放置し、矯正治療に移行する子供が増えている現状はなんとも皮肉なものである。
小児の口腔機能不全症はまさに我が家のこれから起こりうる問題であるとともに、一歯科衛生士として、歯をみるだけではなく、子供から大人まで口の 周りの筋肉や舌癖まで広く見る目を養わなければと感じた。今の子供達が高齢になった時、オーラルフレイルになる確率は小児期の口腔機能の状態に比例してく るものかもしれない。それを防ぐためには保健所や病院などとの地域連携がより強く望まれる時代になってきたのではないだろうか?