昨年はどこを向いてもコロナ コロナで、虫歯予防デーもいい歯の日のイベントも無いために、まじめに歯科医院でフッ素を塗られていた息子。3歳まではユニットに乗ってなんとなく仰向けになり歯ブラシでシャカシャカしてもらうくらいだったので、その日も軽く考え自ら小児歯科の受付に向かっていった。

程なく名前を呼ばれユニットに移動すると『もう4歳だからちょっとブラシしてみようか』と言われついにロビンソンブラシデビュー。バキュームを試しにほっぺたにくっつけてもらったりしているうちは彼自身にも余裕があったようだが、いざ口腔内で使ってみると案の定嫌がる嫌がる。
初めての回転するブラシに軽く混乱している様子。あげくにライトが眩しいと自分の手で目隠しをしようとしてジタバタする始末。そこは手慣れた小児スタッフ。手早く終わらせてくれました。

歯科医院を出た後、こっそり今日の歯医者はどうだったかを尋ねてみた。てっきり「もういやだ」とか言ったりするのかと思っていたら 「・・・・よかった」
「おみずがなかったら もっとよかった」

彼なりの強がりなのかそれとも本心なのか、親の予想と違う答えが帰ってきた。とりあえずもう行かないとは言われなくて一安心。

その足で帰りにたまたま寄った駄菓子などを売っている某店舗内にて、急に息子が立ち止まった。その視線の先には何やらカラフルなものがぎっしりと詰まっているプラスチックケースが置いてある。
「これ ほしい・・・」

一点を見つめたまま視線を動かすことなくつぶやいた先にはゴムでできた色とりどりのトカゲのオモチャが瓶詰めのようにぎっしりと詰まった容器が。トカゲも蛍光色やらメタリックカラーやらどれもなかなか個性的な色をしている。ちなみに一匹50円。どうやら一目惚れしたトカゲは全身鮮やかなメタリックブルー。我ながら甘いなぁと思いつつ、一匹購入することに。

ひんやりとした手触りにペタペタとした独特の触感。引っ張ると全身がものすごく伸びる全長5㎝ほどのトカゲを握りしめ、さっきまでの不機嫌もどこへやら。

その後、祖母の家に行った折「ばーちゃん、ほら みて‼︎」と満面の笑みでトカゲを強制的に見せられた祖母が悲鳴をあげたのはまた別のお話。